健康について(その3:日本における健康づくりの取り組み―「健康日本21」について)

日本における健康・体力づくりの施策に積極的に取り組んだのは、昭和39年の東京オリンピック終了後と言われています。昭和45年には保健所において、日常生活における正しい栄養・運動・休養の取り方の指導が始まり、昭和53年から第1次国民健康づくり対策(生涯を通じた予防・検診体制の整備、市町村保健センターの設置、健康づくりの啓発等)、昭和63年から第2次国民健康づくり対策(生活習慣の改善による疾病予防、健康増進等)、そして平成12年に第3次国民健康づくり対策として「21世紀における国民健康づくり運動」(健康日本21)が策定され現在に至っています。この健康日本21の基本理念は「すべての国民が健康で明るく元気に生活できる社会の実現のために、壮年死亡(早世)の減少、健康寿命の増進及び健康に関する生活の質の向上を目指し、一人ひとりが自己の選択に基づいて健康を増進する。そしてその個人の活動を社会全体で支援してゆくこと」とされています。

私達市民一人ひとりが健康であると思うのは、「日常生活を満足して送れる」、「働くことができる」、「食事がおいしい」などで、病気の有無だけが健康の指標ではありません。特にこころの健康は、自分の感情に気づいて表現できる「情緒的健康」、状況に応じて適切に考え、現実的な問題解決ができる「知的健康」、社会や他者と建設的でよい関係を築くことのできる「社会的健康」などが含まれ、「生活の質・QOL」と密接な関連を持っている。

そのためには、「早世」と「障害」の予防が大事です。65歳までに死ぬ早世は、10年前の統計では、男性15%あまり、女性は8%弱で、その大部分は45歳から64歳に集中しています。その原因の多くが、「がん」、「自殺」、「心疾患」、「脳血管疾患」などです。また、中年期以降の身体障害は、主に循環器疾患(脳卒中)や骨折・転倒によることが多く、これらの予防には生活習慣病対策として、若年期からの取り組みが必要であります。

生まれてから死ぬまでの生涯を次の6段階に分けられます。すなわち「幼年期」(育つ)、「少年期」(学ぶ)、「青年期」(巣立つ)、「壮年期」(働く)、「中年期」(熟す)、「高年期」(稔る)の6段階です。個人は各段階に応じた役割や課題を達成ながら次に段階に進み、前の段階が次の段階を生み出し支え、その段階の生き方によっては、次に段階の内容にも影響を与えます。壮中年期に多いがんや循環器疾患の予防には、幼年期、少年期における家庭での生活習慣や、青年期からの運動習慣や適切な食生活の確保が欠かせません。生涯を通した「健康づくり」は、その人の価値、生き方、健康観に基づいた「生涯づくり」とも言えます。

(参考:国民衛生の動向、厚生労働省・健康日本21(総論))


顧問 石倉保彦

2012年02月26日 by staff